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■子どもたちを守るためにはどうしたらいいのだろう
評価:

昨日から始まっている毎日新聞の特集記事「児童虐待の現場から」先日の大阪社保学校での講師の平野記者が書いている。この記事はネットで見ることはできるけれど、
一か月ほどしたらネット上から消えてしまうので、ここに掲載しておく。今、
私は大阪市内区役所キャラバンをしているけれど、
大都市でのこの問題の困難さを日々感じている。昨日も、あるシングルマザーの相談内容についてお聞きした。離婚後、小学校3年生の子どもを抱えながら
朝も昼も夜も働いていて、
子どもの方を向いていられない。
親も子も疲れて疲れて、
子どもは親と離れたくなく暴れる。
そうこうしているうちに子どもは学校にいけなくなり、
母親も仕事を解雇され、
ぎりぎりの状態で相談に訪れた。現在は生活保護申請が受理され、
やっと暮らしが落ち着いたところで、
初めて子どもの発達障害に気づいた。
今は母子分離をするために子どもは子ども相談センターに入所している。虐待の背景の多くに母子家庭の問題があり、
そして母子家庭の多くは貧困世帯。
この貧困問題を何とかしないと、子どもたちの問題は解決しない。私はいつも、子どもたちの問題で
無力であることがいやになる。でも、何とかしたいと思っている人間が集まれば
絶対にいろんな動きができていくと固く信じている。だからいつも考えている。子どもたちを守るためにはどうしたらいいのだろう、と。救え幼い命:児童虐待の現場から/1 兵庫・冷蔵庫に4歳男児遺棄、2年後に自首◇「勇気あれば」母自問 夫のDV、支援制度知らず孤立 台所の家庭用冷蔵庫。幅、奥行き約30センチの野菜室が小さな遺体のひつぎだった。胎児のように足を抱え、冷たい箱の中に2年近くも眠っていた。07年7月、兵庫県小野市。4歳の男児は、義父(35)に「お仕置き」と称して体より小さな衣装ケースに閉じ込められ、熱中症で死亡した。口に靴下を詰められ、悲鳴を上げることすらできなかった。 「冷蔵庫に入れよう」と提案したのは、母親(35)だった。遺体を隠そうというより、「(男児と)離れたくない」という思いが強かった。 それから1年9カ月後、母親が警察に自首するまで、家族以外の誰も、男児が「消えた」ことに気付かなかった。保育所は死亡の前日、男児の体に青あざを見つけた。翌日から保育所に来なくなった。2週間後、母親から「引っ越すことになった」と連絡があり、それ以上追及しなかった。近所の住民も、笑顔で保育所に通う男児の姿は覚えているが、いなくなったのを不審には思わなかった。「いつごろか覚えていないけど、弟は遠いところに行った」。幼い姉(8)は警察にそう話したという。   ■  ■ 男児が亡くなった県営住宅では事件後、児童虐待防止を訴えるポスターが張られていた=兵庫県小野市で28日、幾島健太郎撮影 母親は親の勧めで結婚した前夫(37)とうまくいかず、07年3月、出会い系サイトで知り合った相手の県営住宅に、子ども2人と転がり込んだ。「子どもに優しくしてくれる」と思い選んだ新しい夫は、「これが教育」と子どもたちを殴り始め、やがて暴力が家庭を支配する。後に公判で、自らも虐待された成育歴があったことなどが判明する。 母親は、部屋では鎖でつながれ、体中にキリでピアスの穴を開けられた。すさまじい暴力に耐えていた理由は「子どもと追い出されたら生きていけない」と思い込んでいたからだ。「嫌なら出て行け」と言われると、何も言い返せなかった。 仕事は実家の青果店を手伝ったことがあるだけ。前夫と離婚して実家にも戻れない。貯金もなく、相談できる友人もない。母親の弁護人が最もショックを受けたのは、母子家庭への公的扶助やDV(ドメスティックバイオレンス)被害者の支援制度を全く知らなかったことだった。現状を耐え忍ぶだけで、誰にも相談していなかった。   ■  ■ 今年1月、1審・神戸地裁姫路支部で懲役6年の判決を受け、大阪高裁に控訴。控訴審で弁護人は母親にカウンセラーを派遣した。カウンセラーは、DV被害者を保護する民間シェルターのパンフレットを差し入れた。拘置所での面会の時、母親はアクリル板越しに「私も入ることができたんですか」と驚いたという。今年7月16日の大阪高裁の控訴審判決は「控訴棄却」。減刑は認められなかったが、世の中に助けを求める場所があることを知り「それだけでも控訴してよかった」と弁護人の前で泣いた。上告しないことは自分で決めた。 母親は刑務所への移送を待つ大阪拘置所で、亡くなった男児の夢を見る。 天国で寂しい思いをしているようで、目を覚ましては涙を流す。「私が一歩踏み出す勇気があれば、こんなことにはなっていなかったのに……」。自問自答を繰り返しているという。   ×  × 「消えた」子どもたちがいる。親が社会から孤立しているために、子どもは家庭という密室に閉じ込められ、救いの手さえ届かない。幼い命の悲鳴に気づくには、どうすればいいのか。読者とともに考えていきたい。【児童虐待取材班】=つづく============== 児童虐待問題について情報やご意見をお寄せください。メールo.shakaibu@mainichi.co.jp、ファクス06・6346・8187か、〒530−8251(住所不要)毎日新聞大阪社会部「児童虐待取材班」まで。============== ■ことば ◇兵庫県小野市・虐待死事件
 小野市の夫婦が長男(当時4歳)を衣装ケースに閉じ込めて死亡させ、遺体を2年近く自宅の冷蔵庫に隠していた。昨年4月、妻(35)が警察に自首して発覚した。夫婦は逮捕監禁致死と死体遺棄の罪に問われ、夫(35)は同年12月、1審・神戸地裁姫路支部での裁判員裁判で懲役9年6月の実刑判決を受け、確定。妻も同支部で懲役6年の判決を受け、今年7月の控訴審判決で1審判決が確定した。救え幼い命:児童虐待の現場から/2 「助けたい」でも無力感  ◇通報後も怒声、職員に身の危険 「半殺しにするぞ」「歩けんようにするぞ」。大阪市内の分譲マンションに住む40代女性が、隣室からのドンドンという音と怒声に気付いたのは3年前。「ごめんなさい、ごめんなさい」と、ひたすら謝る小学男児の声。母親らしい女性の大声は数日おきに響く。 夫に相談すると「トラブルに巻き込まれたら、住めなくなる」とかかわらないよう言われた。昨年、初めて児童相談所(児相)に連絡した。職員は家に来て女性から事情を聴いたが、「一般の通報者には、対応結果は教えられない」と説明したという。 思い切って最近、マンション前で見かけた男児に「お母ちゃんに殴られてるやろ」と声を掛けた。男児は「殴られてへん」と否定したが、話すうちに「このごろましになってんねん」とつぶやいた。 「何で大げさに泣くんや。誰かが助けてくれると思ってるんか」。今も怒声は続く。「児相職員の苦労も分かるが、ほとんど変わっていない。壁を破って子どもを助けたい。でも何をされるか分からない。本当につらい」   ■  ■
虐待の通報や相談の電話対応は24時間。夜間も多いという=近畿の児相で、森園道子撮影 「誰が言うたんじゃ。何の権限や」。児童虐待の通報を受けて30代の女性職員が家庭訪問すると、入れ墨をちらつかせた父親が声を荒らげた。女性職員は、大阪府内のある市役所の福祉部門で相談員をしている。子育て相談などの担当だが、数年前から児童虐待の仕事が増えた。虐待通報で駆け付けた先では、しばしば身の危険も感じる。 金曜日の夕方になると、虐待情報の電話が怖い。「もう掛かってこんといて」と祈るような気持ちになる。虐待の通報は原則、48時間以内に安全確認する。家族構成や乳幼児健診記録など、家庭訪問には事前の情報収集が欠かせない。しかし、週末は関係機関が閉まり、入手が難しくなるためだ。 家庭訪問に居留守を使う母親は、保育所の前で待ち伏せ。親が育児放棄している家で、子どもにご飯の炊き方や卵焼きの作り方を教えたりもする。1人で年間数十件の虐待事案を担当するが、「解決した」と感じることはほとんどない。「親の考えを変えるのは非常に難しい。強制的に親子分離できる場合は限られ、無力さを感じる」   ■  ■ 各児相で人員確保の模索が続く。横浜市中央児童相談所は、今年1月から当直のために嘱託職員5人を雇った。嘱託職員1人が泊まり込み、正職員1人が深夜まで残る。10月からは嘱託職員の4人増員を検討している。 大阪市は、人員不足や機動力を補うため、今月から、緊急性のある虐待情報に消防職員を派遣している。全国初の取り組みで、「すぐに助けて」など救助要請の通報には、消防車両計6台が現場に急行する。市こども相談センター(児相)の市村好弘・相談支援担当課長は「これまで1時間かかったケースが、消防なら10分で着ける」と期待を寄せる。だが、消防職員がどの程度、強制介入できるのか、まだ手探りだ。【児童虐待取材班】=つづく
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